top of page
子供騙し
思い出は残酷なほど色褪せないまま 嫌味なくらい頭をよぎり立ち止まらせる
「昔のことは過去のこと」と知らんぷりしても 安物の消しゴムじゃ誤魔化しきれない
時が経てば時が経つほど美化されていくのに そんな当たり前な方程式さえ見落としてしまう
落ち込んで必要以上にまた強がっては 今を見失う 明日に出遅れる
忘れたくないことへの涙 忘れたいことへの恥じらいの比じゃないほど 辛いものだから虚しいものだから
未練たらしくまたずる賢く 時間が解決するのを待ってる
思い出は冷酷なほど輝いて見える 過去というだけの無意味な補正が邪魔をしてばかり
調子に乗ってうまくいってるそんな時はいつも 足を踏み外してることにさえ勝ち癖で気付けない
自覚して打ちひしがれる頃には底無しの絶望 だけどトンネルは 折り返すところ
忘れたくないことを忘れてくうちに「何だかんだ一歩ずつくらいは進んでる」だなんて
思い込もうと言い聞かせてる 根拠は無くて 見せかけの希望で 子供騙しを自分に繰り返す
本当は前を向く元気なんて とっくの昔に使い果たしてしまった でも訳もなく見栄を張るために 子供騙しで包み隠して
何となく救われたような気になる
bottom of page